リンを運び出す、アイアンパワー 高リン血症治療剤 リオナ錠250mg

リオナ 開発の経緯

開発の経緯

リオナ錠250mg(以下、リオナ)は、クエン酸第二鉄水和物を有効成分とする薬剤です。リオナは、第二鉄(3価鉄)のリン酸との結合作用に着目して、消化管内での食事由来のリン酸を鉄と結合させて難溶性の沈殿(リン酸第二鉄)を形成させることで、リンの消化管吸収を抑制する新規のリン吸着薬です。
第二鉄(3価鉄)は古くからリン酸と結合することが知られており1)、また一般的にヒトにおいては、第二鉄(3価鉄)は第一鉄(2価鉄)に比べ消化管から吸収されにくいことが知られている2,3)ことから、リン吸着薬の主成分として適していると考えられます。

また、リオナの有効成分であるクエン酸第二鉄水和物は、食品添加物に使用されるクエン酸第二鉄とは異なる製造法を用いることにより、比表面積が大きく、溶解速度が速いという特性を有しています。カルシウム、ランタン、鉄などを有効成分とするリン吸着薬は、消化管内で溶解し、リン酸と結合して難溶性の沈殿(リン酸塩)を形成することで、リンの消化管吸収を抑制します。したがって、リオナの速い溶解速度はリン吸着薬として適した特性と考えられます。

国内では日本たばこ産業株式会社および鳥居薬品株式会社がKeryx Biopharmaceuticals社より導入し、2009年2月より開発を開始しました。国内における高リン血症を有する慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験、第Ⅲ相比較試験および長期投与試験により、有効性および安全性が示されたことから、2013年1月に承認申請を行い、2014年1月に「慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」の効能・効果で承認を取得しました。

1)
‌Cox G, et al.. The effects of high doses of aluminum and iron on phosphorus metabolism. J Biol Chem.
1931, 92, Xi-Xii
2)
Dietzfelbinger H. Bioavailability of bi- and trivalent oral iron preparations. Investigations of iron absorption by postabsorption serum iron concentorations curves. Arzneimittelforschung.1987, 37, 107-112
3)‌
‌Heinrich HC. Intestinal absorption of 59Fe from neutron-activated commercial oral iron(Ⅲ)-citrate and iron(Ⅲ)- hidroxide-polymaltose complexes in man. Arzneimittelforschung. 1987, 37, 105-107